Wrongのサンプル採集
〜召還秘薬Orcish Cheese 第5話〜

今日も元気に伐採作業!

連日のリーパー騒ぎは収まる気配がない。
今日もまたデシートにリーパーが異常発生しているとの情報が飛び込んできた。

すぐにデシートに向かうあたし。

Lv2のテレポータを通ってLv3に降り立ったあたしが見たのものは、分裂しまくってしまったリーパーの大群だった…
う〜ん、今日も失敗か。なかなかうまく伐採するのって難しいわね。

まあ、増えてしまった物はしょーがない。
あたし達はリーパーの生命力が落ちているのを見計らいながら、少しずつ伐採作業を進めていった。

あたしがLv3の北西の隅にさしかかった時、聞き覚えのある叫び声が遠くからものすごいスピードで近づいてきた。

Reiliax:うおおおおあああああ!

そう、逃げ足の早さは天下一品、Reiliaxがデシートに来てたんだ。

*ぶるぶる*

Reiliaxは、戦っているあたし達の側までダッシュしてくると、恐ろしさの余り震え始める。

彼に気がついた人達が集まってくると、やっとReiliaxは落ちつきを取り戻した。
話す余裕がでてきたみたい。

Reiliax:今日もサンプルを採りに来たんだけど、早く来すぎたよ。
では、サンプルをもらって行こう。

Reiliaxは散乱しているリーパーの死体に近づき、サンプルを採集し始めた。
その間、見てるだけなのも暇なので、あたしはどの程度研究が進んでいるのか尋ねてみることにした。

Rena:ねえ、なんでこのリーパーは絶滅したの?
それを再現できれば、こいつらを根絶できるんじゃない?

Reiliax:昔に、この……ハァハァ……続きは、街で話しましょう。
必殺変わり身の術!

わ、新技だ!芸達者ね〜。
で、いきなり消えたReiliaxだけど、街ってしか言わなかったからどこにいけばいいかわからない。まあ、行き先はブリテンのカウンセラーホール(CH)だろうけど(笑。

ReiliaxのWrong調査

案の定、彼はブリCHにいてあたし達を待っていた。
そして、初めて会った人たちに自己紹介を始めるReiliax。

Reiliax:こんばんわ。僕の名前はReiliax。植物学者さ。
さいきん、ボクを「レイリラックス」と呼ぶけれど、Xは発音しないんだよ。
レイリアと呼んでくださいね。

おお、衝撃の事実!ほんとの名前はレイリアだったのね。
あたしもずっとレイリラックスって呼んでたわ。

でも、男のくせに女の子みたいな名前ね…

Reiliax:さて、今日はサンプルが不足していたので、採集しに行ったんだけど、今日のは失敗だったみたいだね。たくさん増えてしまって、種が足元にたくさん落ちていたよ。
おそらく近いうちに彼らが芽を出すだろうね。アドバイスを贈ると、ドラゴンとかはうまく使わないと、リーパーを倒してしまうから気をつけてね。
さて、何か聞きたいことはあるかい?

Rena:リーパーが絶滅した原因はわかったの?
Reiliax:うん、それはわかった。昔、リーパーにはCold Windという天敵がいたんだ。そのCold Windというモンスターを操った勇者が、あのリーパーを凍らせて死滅させたんだ。

Rena:木の天敵と言えば火だと思ってたけど、火で燃やしたわけじゃないのね。
Reiliax:火で燃やしたわけじゃない。
Cold Windは吸い込む力があるから、一網打尽だったよ。

う〜ん、そんなことがあったんだ…
でも確かCold WindってOrcish Cheese2個で召喚可能なモンスターだったはず。
ってことはOrcish Cheeseを探すべきなんだろうか。なかなか難題ね。

あたしが話も聞かず、もとい声が通らなくて聞こえなくて、物思いにふけっている間にも、Reiliaxの話は進んでいた。

Reiliax:そこでもうひとつお願いが…研究の為、ぼくはWrongへ行こうと思う。
手伝ってくれないか?巨大オークの肉がいるんだ。
すばやいオーガロードを作ってみようと思う。

え?すばやいオーガロードって、もしかして以前Colonが召還したQuick Ogre Lordのこと?!
あれを作れるなんてReiliaxもなかなかやるわね〜。

あたしが感心している間にも彼はさっさとWrongへ行ってしまった。
もー、しょーがないなあ。

あたしは慌てて、Reiliaxの後を追ったのだった。

Wrongの入り口にリコールしたあたしは、Reiliaxがそこで立ちすくんでいるのを見つけた。
どうやら先行して中に入っていったらしい。

Reiliax:死にそうだ…

そこで初めて、あたし達が来たことに気がついたみたい。

Reiliax:おや、とにかく中にいる巨大オークの肉が欲しいんです。

Rena:巨大オークってオーガじゃないの?ちなみに「おげれ」じゃないわよ。
Reiliax:ははは、ボクはそんなに、世間知らずじゃないし、海賊にも憧れた事はないよ。

そして、あたし達はWrongへ入っていった。
大騒ぎをしながらLv2の奥を目指すあたし達。

敵を見るたびに、Reiliaxは「ぎゃああああ」とか「うあああああ」とか大騒ぎする。

Reiliax:ガード!助けてくれ!

ああ、錯乱してガードまで呼んじゃってるし(笑。
狂乱のReiliaxをなだめながら、あたし達はWrongの奥へ進んで行く。
そして、あたし達はLv2の奥の部屋にやってきた。

召還の呪文

この部屋は出入り口がひとつしかなく、中の敵を一掃すると落ち着いて話をすることができた。

Rena:でも、こんな所に来て、オーガを作るより、チーズを2個集めてCold Windを召喚した方がいいんじゃないの?
Reiliax:チーズを探すくらいなら、ここに来た方が100倍くらい楽なんだよ。

あら、やっぱりチーズは希少なのね。
そして、巨大オークの肉を探すReiliax。でも目的の物は見つからないみたい。

Reiliax:おや、ここに来れば手に入ると思ったんだけど…仕方がないチーズを使って…

Reiliaは懐からチーズを取り出すと、謎の呪文を唱え始めた。

Reiliax:天と地にいる神々よ…我がチーズで巨大な敵を呼び給え!

はたして、できたのは…

なんとDrake!!

Reiliax:ぎゃあああああ!

まあ、この人数の中にドレイクが一匹でてきても瞬殺されるだけなんだけどね。
怖がりなReiliaxは息も絶え絶え状態になちゃったわ。

Reiliax:はぁはぁ、呪文間違えてしまった。
どこで間違えたのだろう。ちょっと本を読んでみるよ。

そう言って、いきなり本を取り出して読み始める。

Reiliax:ああ、影のない光を…だった。ちょっと危険に巻きこんでしまったね。今日は普通の肉で我慢するよ。この肉をもらっていこう。

そして、Reiliaxはそのドレイクを解体し始めた。と、その時、

*poro*

Reiliax:あああああ!チーズを肉に落しちゃった!

次の瞬間、チーズの魔力でドレイクが復活。
でも所詮ドレイク、速攻であたし達に倒されちゃたけどね。

その後、誰かからオーガロードの肉をもらったReiliaxは、あたし達に礼を言うと、満面の笑みを浮かべながら帰って行った。

Reiliax:ありがとう。とりあえず、も…目的は果たせたよ。それでは、またリーパーを倒せるような研究をするよ。最後にお礼として特技を見せてあげるよ。
必殺!幽体離脱消えっ!

叫びとともに巻き上がる炎。
その次の瞬間、Reiliaxは来ていたローブを残して忽然と消え去ったのだった・・・

またも新技かい!

Reiliaxのオフィス

その後、Trinsicでデシートの異変が収まったと叫ぶクライヤーを見ていると、誰かが目の前をものすごいスピードで通り過ぎて行った。

あの後姿は?!間違いない、Reiliaxだ!

愛メアに鞭打ち、必死に追いすがるあたし。
ついにTrinsic武器屋の前で、彼に追いつくことに成功する。

Reiliax:おうあ。ボクの韋駄天に追いついてくるなんて、驚きだ。

Rena:何を走りまわっているのよ。
Reiliax:うちに帰ろうと思ったら、鍵を忘れてしまってね。

Rena:家ってどこにあるの?
Reiliax:来るかい?
Rena:もちろん!

Reiliaxに案内されて、あたしは武器屋から北の方に行った所にあるTrinsicの倉庫街にやってきた。

Reiliax:いらっしゃい。オフィス・レイリアにようこそ。いつも助けてくれる方々もいますね。

Rena:いつもここで研究をしているの?
Reiliax:ボクかい?ここは寝室かな。研究は別の場所だよ。

Rena:できれば研究結果のレポートを、このオフィスに置いて欲しいわ。
Reiliax:そんなことをしたらお嬢さ…いや、ボクの命が危ないよ。

Rena:ん?お嬢様って?
Reiliax:!!いや、今日はいい天気だね。
せっかく来てくれたんだし、ちょっとCold Windについて教えちゃおうかな。

む、はぐらかしたわね。とりあえず追求してヘソを曲げられても困るし、Cold Windに関することなら聞いておいて損はない。あたしは彼のレクチャーを大人しく聞くことにした。

そして、Reiliaxは緑のシャツを着ただけの軽装の魔術師を指差した。、

Reiliax:まず、緑の服の人の服装では五秒と持たないな。

次にリングメイルとチェインメイルをメインに防備を固めているLongさんという戦士を指差すと、

Reiliax:つぎにLongさんでも五秒かな。

そして、最後にあたしを指差した。

Reiliax:Renaさんも同じかな?
あとね、聞こえなかったらしいけど、盾を持っている時は気をつけてね。

Rena:盾?どういうこと?
Reiliax:大きな盾、それだけで吸い込まれる時「帆」になるよ。
同じく、ローブやマントも吸い込まれやすくなるよね。

Rena:フルプレートクラスを着込まないとダメってこと?
Reiliax:うん、女性用のプレートでも重さが足りないかな。

そして、Reiliaxは突然立ち上がった。

Reiliax:そうだ。どれくらい吸い込まれるか教えてあげるよ。
ここに、Renaさんと同じくらいの人がいるとすると、吸い込まれると一瞬でこの辺まで動いてしまうよ。

とりあえず台詞だけじゃわかんないから合成写真してみたわ(笑。

Rena:吸い込まれるとどうなるの?
Reiliax:吸い込まれると…
そうだね、例えるならブラックデーモンの真横に飛び出してしまうような感じかな。

Rena:Cold Windを呼び出すことができたとしても、制御できなければリーパーを倒すことはできないわ。
Reiliax:いまのところ、そのようだね。
ただ制御方法はボクもわからないんだ。植物学者だからね。
だんな様がその辺はお詳しいよ。

Rena:だんな様って?
Reiliax:ただ、今はだんな様については語れないんだ。
近いうちにチーズを持ってニュジェルムへ行くくらいしか、教えられないね。

Rena:だんな様もチーズを集めているの?
Reiliax:そうだね。

Rena:チーズを集めてどうするのよ。
Reiliax:ああ、確か、報われない女性がいて、その人を救うとおっしゃっていたよ。
そのお嬢…いや、その女性は、豪族の出身で、お母様が不治の病らしいんだ。
治すにはチーズが必要だと言っていたそうだよ。
そこで、だんな様が協力してるんだ。だんな様はいい人だよ。安心しておくれ。

Rena:なぜ名前を明かすことができないの?
Reiliax:女性が、冒険者に名前を明かさないで欲しいと言ってるんだよ。
理由を聞くような野暮なことは、だんな様はしないしね。

Rena:いつごろだんな様はニュジェルムに行くの?
Reiliax:ふむ、それは言えないよ。チーズハンターが狙うからね。

Creao:チーズハンター見たことないんですが…
Reiliax:ハンターは闇から闇に動くので、ほとんど見れませんよ。

Rena:チーズの所在はどのくらい判明しているの?
Reiliax:チーズの所在は5つわかっているよ。
2つは、どこかの盗賊がベスパーでチーズ業者から奪ったらしいし、1つは今ボクが持ってる。1つはだんな様が持っていて、最後の1つは一度デシートで発見されたんだけど行方不明。この5つかな。

Rena:不治の病を治すには何個のチーズが必要なの?
Reiliax:4つと聞いているよ。

Rena:あと2個ってわけね。じゃあ、2個持ってるという盗賊を追うのが手っ取り早いかな。
Reiliax:盗賊は何故か、ボク達のウラをついて行動するんだよ。
刺客も送ったけど、皆殺されたみたいだね。

Rena:情報が漏れているってこと?
Reiliax:うん、そうかもしれない。

Rena:そういえば、先日デルシアで起きたOrcish Big Mage襲撃事件やDespiseのQuick Ogre Lord出現事件については知ってる?あの時もチーズが持ち去られたらしいのよ。
Reiliax:ん〜、それは初めて聞いたね。チーズについては、あまり情報が交換されていないんでね。

Rena:さっきのWrongでの呪文について教えてよ。
Reiliax:ああ、あれはね。チーズの粉で近くにいる強力な怪物をリザレクトしようとしたんだけど、間違って、遠くの強敵を呼んじゃったよ。その後、落して復活させてしまったのは、内緒だよ。

Rena:Wrongでは呼び寄せただけでコントロール不可能だったみたいだけど、呪文に失敗しなければコントロールも可能になるの?
Reiliax:ボクの魔力では無理だと思うよ。現存するモンスターならば、魔力1000もあれば十分かな。チーズを所有していると、その効果で魔力が倍になるみたいだね。ボクも、結構魔力があがってる。HPは10だけどね(笑)。

Rena:ふと思ったんだけど、チーズを探すより、作ったほうが早くない?
Reiliax:それは無理だよ。原料がわからない。
今はもう作ることはできないから、減るだけだね。

Rena:どこかにレシピの書いてある古文書なんてないかしら…
Reiliax:そんなものがあったら、ぜひボクにおくれ。*niko*

Rena:チーズで召喚可能なモンスターは選択できるの?
Reiliax:それぞれ呪文が違うはずだよ。えっと、ちょっと待ってね。*Book Open*

と言って、秘密の呪文書を開くReiliax。
すぐに彼はお目当てのページを開いて読み上げた。

Reiliax:あ、これだ。黒いデーモンは「闇の帝王を我が僕と呼び出さん。」こんな呪文だね。
あと、ボクがいま研究してるのは、「闇と精霊と言霊よ!我にチカラを与えん。光の闇を写し出さん。」ってやつかな。
これが、チーズ1/4でだせるやつかな。

Rena:その呪文、聞いたことあるわ。
Reiliax:あ、こいつはチーズの守り主として封印されている場合もあるみたいだね。
封印を解除するのも同じ呪文だね。
それでは、ボクは寝るとしよう。

Rena:あ、最後に一つ。ここに来ればまた会えるのかしら?
Reiliax:う〜ん、研究の合間ならいるかもしれないけどね。
普段はだんな様の元で研究をしているよ。
ただ…だんな様、最近ちょっとお変わりになったみたいでね。心配だよ。
チーズの影響だとは思うんだけどね。

Rena:OK、暇な時にでも遊びに来るわ。
Reiliax:いつでも、来てください。
そのかわり、何かお願いするかもしれないよ。*niyari*

Rena:まかせといて!
Reiliax:それじゃ、おやすみ。必殺幽体離脱(就寝モード)!

お、また幽体離脱だ。それにしても長かったわ(笑。
でも、重要な情報がいくつも手に入ったわね。新しい謎も出てきたけど。

とりあえずこれからの方針としては、

  1. ニュジェルンを張りこんで、Reiliaxのだんな様が来るのを待って事情を聞く。
  2. デシートでまたリーパー大量発生が起きたら、サンプルを集めてオフィスに持って行ってあげる。

この2つが考えられるわね。
どこにいるか見当もつかない盗賊を追いかけるなんて現実的じゃないし。

あ、あともうひとつ、「先日のDespiseの事件以来音沙汰のないColonを探す」ってのもあるかな?彼女が無関係だとは到底思えない。

でもTrinsicを探しても、ぜんぜん手がかりがなかったのよね。ColonはTrinsicの豪族の娘だから、あの街を探せば何かわかると思ったんだけどなあ…

ともかく、まだまだわからないことだらけだけど、あたし達に出来ることをひとつひとつ確実にやっていくしかないわね。
どんなに小さな1歩でも、前に進んでいることに変わりはないのだから…

てへ、ちょっと気取っちゃった(笑。


  

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