独語学習記
 
7.バイエルンでの新たな独語受難時代(01春〜02)






























































































 

@バイエルンでの新生活 
 
 いろいろな事情の結果、帰国後わずか2年でドイツへ戻ることになった。「ガ〜ン今度は本当にドイツの人になるわけだからドイツ語中途半端じゃあ許されないことになりそう・・・」
 と思ったのは瞬間で、いつものように「どうにかなるでしょう」と気をとりなおして何の不安も持たずにドイツへ再渡来した私であった。


Aああバイエルン 
 
 ドイツ語にも種々の方言があることは知っていたが、これまでは行く先々での日常会話程度だったのでさし支えなかったものの、そこに暮らすとなるとそうはいかない。
日がたつにつれ、バイエルン方言の奥深さ?に恐れが増すばかり。バイエルンといっても広いが、ここアルゴイ地方の田舎はスイスやオーストリアと接していることも手伝ってか、めちゃくちゃ訛ってる最初の1ヶ月くらいは、ドイツ語の地にいるとはとても思えなかった。特にお年寄りや、生まれも育ちもアルゴイ!というおじさんの言葉は理解不可能状態。こんなことがあった。ある女の子と道端で立ち話をしたのだがいつものように聞き取りがとっても困難。そこへお母さん登場。「ちゃんとドイツ語で話しなさい!」・・・目から鱗だった。このあたりの言葉はドイツ語とは別物ということが判明した。
 しかし、不思議なもので、そんなものだと思ってしまうと抵抗はあまりなくなってきた。わかる部分(つまり標準ドイツ語と同じ部分)をつなぎあわせればどうにか理解できるようになってきたのは3ヶ月後くらいかな
 自分なりに分析してみたのだが、周りの人々との親しみ具合、うち解け具合が、どうもバイエルン言葉の理解に大いに関わっているとみた。相手をよく知っていると余計な緊張もしないし相手の言いたいことがうまくくみ取れる、という点は日本語と何ら変わりないかも。 
 ちなみにバイエルン言葉の辞書なるものが発行されているらしい。興味がおありの方のために、私が説明できる程度のアルゴイ地方言葉の特徴をご紹介。ただし私の住む村での経験ですのでバイエルンまたはアルゴイ全域に共通するとは限りません

◎発音
 をやたら響かせる。綴りにrがあったら必ずといっていい程、強く発音される。そのため全く別の単語に聞こえることもある。しかしその単語自体がドイツ標準語であればすぐに慣れる。
 例:aber  アバー  → アバラ
   Wetter ヴェター → ヴェタラ などなど・・・

 nを発音しない、またはかすかにしか発音しないことがある。これはやっかいもの。うちの村の名前には二つnがついてる。Bernbeuren(ベルンボイレン)を(ベラボレ)
と言われても「へっ?」という感じだった。会話中には不明だった単語も、後からよく考えてみると、このnぬき言葉だったりする。
 chを発音しないことが多い。これまた皆目検討つかないことになってしまう。
 例:Ich mag dich. イッヒ マーク ディヒ 君のこと好きだよ
        →  イ  モク  ディ
ich/dich/sich/nichtなど頻度の高いものはもうインプットされたが、果てしない会話の中で追いついていけないこともしばしば。そんな時は「ドイツ語でしゃべって」とお願いするのが一番。
 
◎イントネーション
 標準ドイツ語に比べて上がり下がりが少ないように、私の耳には聞こえる。一本調子でガミガミ言ってる感じ。それだけに単語の切れ目もわからないようなこともある。あっただし、声は超大きいですよ。その辺の立ち話が筒抜け。

◎挨拶等の特徴
 世界じゅうどこでも人とのつきあいは挨拶から。
   こんにちわ:Gruess Got.          グリュース ゴット       
          Grues dich. Gruess euch. グリュース ディヒ(オイヒ)   
   じゃあね :Pfiadi!              プフィアディ→完全アルゴイ言葉   
          Servus!               セルヴス  →オーストリアからきた言葉
                              こんにちわの意味にも使う
 その他ハンブルクでは「だよね」の意味で文尾にしょっちゅう付いていた
         ne ネ はgell ゲル 
 バイエルンに限らずゲルを聞いたことがあるのでバイエルン語かどうかは不明

◎ここ独特の言葉
 発音やイントネーションの違いはくぐり抜けても、単語自体が標準ドイツ語と違っていればわかりようがない。そんな場面にしょっちゅうぶちあたっている。
 例:Ei アイ    →Oa オア 
   Eierアイアー →Oar オアル
   unsウンス  →Ais アイス

このように母音が自由自在に変化するもので、手におえないのだ。最後にお断りをしておくが、バイエルン言葉は話し言葉、つまり音はあるけど正式な表記はないという言葉。上記の説明は全て発音どおりに文字をあててあえて表した。


B諦めの境地

 ある日、ドイツ人の友人(ミュンヘン近郊在住)が訪ねてきた。ここの言葉にはもう慣れたかと聞く。Aで書いたことを説明すると、彼は
「なるほどそうだよね。僕も意味がわからないことあるもの。」
「・・・えっ。ここ、つまりアルゴイの言葉って他のバイエルン方言とも違うわけ!?」
「ぜ〜んぜん。訛りがひどすぎる。」
前から薄々感づいてはいたけど私ってすごい所に住んでるみたい。」
彼は黙ったままだった。(-_-;)
 以前うちのM氏が
「僕も何言ってるのかわからなくて三回聞いてやっとわかることもあるよ。」
と言っていたのを思い出した。彼がそう言ったのは私への慰めに過ぎないとずっと思い込んでいた。
 もう迷わない!わからなくたってへっちゃら〜。ドイツ人だってわかんないんだもん。私は私で、ドイツ語を守り通すぞ〜!!
 
 
 
 
 
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