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第三者による小学校入学式潜入レポート
◆レポートのいきさつと但し書き
幼稚園卒園式をレポートした関係上、小学校の入学式についても書かないと何だか落ち着かないし、既に予告をしてしまった以上は責任がちょっぴりある気がしたので、だいぶ遅れましたがアップすることにしました。
さてここでも但し書きです。これは第三者の私が見たバイエルン州のある小さなフォルクスシューレ(グルントシューレ・小学校)についてのレポートです。幼稚園のレポート同様に他の州の小学校や私立の小学校とは若干様子が違うのではないかと思います。この辺はカトリック色が濃いようですし。
それから、入学式といってよいのかどうか最後まで迷いましたが、そう書くことに決めました。ドイツではder erste Schultagといって、直訳すると「最初の登校日」となります。上の学校に上がってからの初登校日のことはこうはよびません。つまり人生で一度きりの小学校1年生の初登校日のみの呼び名なのです。日本における入学式とは意味合いの違いがありますので迷ったわけです。そのあたりを念頭におかれた上で読まれてみて下さい。
◆Gottesdienst(礼拝)
カトリック幼稚園の時と同様、Gottesdienstが教会で行われました。
一年生は保護者同伴で、時間までに教会へ入ります。2〜6年生(ここの小学校は6年生まである)は、教師に連れられて順次席につきました。
2年生以上の子どもたちは、礼拝には慣れている様子。1年生だけはそわそわとして何だか落ち着きません。
内容は、神父さんのお言葉(聖書の中の言葉を引用しての「みんなで仲良く勉強しよう」というもの)・各学年代表の言葉(これも少しかしこまった感じで「みんなで仲良く」の宣誓とも言えるもの)でした。
聖歌は Danke, fuer diesen guten Morgen(この良き朝に感謝)
Wir singen alle halleluja(ハレルヤを歌わん)
Hoert, wen Jesus gluecklich preist(イエスの祝福する者の声を聞け)
Unser Leben sei ein Fest(我らの生は祝祭なり)
Gib uns Frieden jeden Tag(日々に平和を賜れ)
前回もそうでしたが翻訳のまずさはお許しを。雰囲気だけわかってくださいね。
聖歌のいくつかは教師のギター伴奏で、ちょっと軽いポップな?感じにしあがってました。その他はアカペラ。
日本の小学校での校長先生のお話は神父さんの言葉、「君が代」は聖歌と考えると
わかりやすいでしょうか?えっ?違う?
これだけ宗教がしっかりと学校の中に入り込んでいるのは、ある意味ですごいと思いました。小学校からちゃんと宗教の授業があるんですよね。でも、どこの州だったかもうすぐカトリック以外の宗教も選べるようになると、いつかニュースでちらりと聞きました。そもそもキリスト教以外の生徒はどうしてるんだろう?これは調査の価値がありそう。
◆教室で
礼拝が終わると、また順次それぞれの教室に戻っていきます。1年生は保護者といっしょに教室の前まで行きます。、ドアに張り出された小さな名簿を見ると、どのクラスかがわかるようになってます。この学校は16人ずつの2クラスでした。
教室に入ると、好きな子と好きな席に座ります。担任の用意した名札は後から配られます。合理的。保護者は教室の壁際に置いてある椅子に腰掛けます。
Nちゃんの担任の先生は、30位の若めの女性でした。おもむろに大きなボールを持ってきて子どもたちの前に座ると、子どもたち一人ひとりの顔をよく見ながらお話を始めました。学校は楽しく勉強する所だよってことを優しく微笑みながら。
「もう一人先生がいるんだよ」と言うと、ポーンとそのボールを子どもたちの後ろに座っていた女性にパス。子どもたちは一斉に後ろを向きます。現役の大学生、実習生のようです。彼女も楽しく自己紹介。
私の知っている日本の教室とはずいぶん雰囲気が違うのでびっくり。子どもたちはほとんど緊張していません。
ゲームが始まりました。音楽に合わせて踊り、音楽が止まると教師が動物の名前を
呼ぶというもの。子どもたちの名札にはあらかじめ各種動物のシールが貼ってあります。呼ばれた動物のシールを持っている子は前に出てきて、人形と挨拶するのです。
後からわかったのですが、この人形はドイツ語の教科書に出てくるキャラクターでした。音楽に合わせて、どの子も跳ねて喜んで踊ります。
★シュールチューテ
ドイツにお住まいの方なら誰もがご存知と思います。子どもたちは小学校1年生の初登校日には三角錐の形をした大きな入れ物を抱えて行きます。既製品も売っていますが、たいていは両親や祖父母の手作りものです。シュールチューテ製作用の本やキットを元に作ることが多いようです。
三角錐の周りにはきれいな紙や布を巻き付け、さらにテーマに沿った可愛らしい模様等を張り付けます。例えば、馬と馬蹄・蝶と花・恐竜とジャングル・UFOと星・魚と海藻などなど・・・その子の大好きなものがモチーフになります。
中味は学用品やお菓子、他にもおもちゃとかビデオとか髪飾りなども入れたりします。人生の門出とも言えるこの日を祝福するために。中には重たすぎて、自分で運べない子もいたりして笑えます。
Nちゃんの教室では、担任の先生の「さあ開けてみてご覧」という声と共にいっせいにシュールチューテの紐を解きました。喜びの歓声をあげる子、隣りの子と見せあいこをする子、さっそくペンを使ってみようとする子。
すると担任の先生も、自分が一年生の時のシュールチューテをどこからか出してきて、シュールチューテ周辺の両親や祖父母の愛情と楽しい学校生活のことを話し始めました。
この子たちのシュールチューテも、この先には地下室やタンスの裏に忘れられてしまう一時期はあったとしても、この担任の先生のように思い出を引き出す魔法の入れ物となって、大きくなった子どもたちの目の前に現れる日が再びやって来るのでしょう。
★校長先生の出番
聞いてはおりましたが、こんなに校長先生の出番が少ないとは!校長先生がいきなり教室に入ってきました。担任の先生のお話は一時中断です。校長先生は、とっても短いおめでとうの挨拶に、「君たち一年生のために学校をピカピカに改装して待ってたんだよ。気にいってくれたかな?」という冗談を付け加えてから、あっという間に去って行ってしまいました。(昨夏からの校舎の増改築が無事完成したところ)
その後しばらくしてから、校長先生の声で「今日は通常時間帯と異なります。10時から休み時間です。」という全校生徒に向けた放送がありました。
他の学年の子たちも各教室でそれぞれの学級扱いや授業を受けていたのです。
私がハンブルク時代に知った校長先生は、たいてい見た目では判別できませんでした。というのは、必ずしも年長者というわけでもないし、ネクタイを常に締めているわけでもないからです。女校長も日本に比べると多いと思います。ペンキだらけの白衣を着て作業している人がそうだったり、子どもたちとギターをひいて歌っている人がそうだったりもします。
★明日からの連絡
新鮮な驚きがこれ。日本だったら、たいてい事細かな連絡をお便りにして印刷したものを配布しているでしょう。ところがこの先生は違いました。(この学校が違うのか?はたまたこの地域が違うのか?それともドイツが違うのか?)
シュールチューテに入っている色鉛筆を出させて一枚の紙に絵を描かせている間を使って、親たちにメモをさせたのです。「ご両親も手もち無沙汰でしょうからペンを使いましょう。忘れた方はお子さんに借りて下さい。」などと軽く促して。
先生の言葉を一言も書き漏らしては子どもに面目が立たぬと、親たちも必死。といっても明日からの登校時間と下校時間の確認が主だったのですが。欠席連絡の方法や先生の自宅電話番号も口頭で知らせていました。
その晩、Nちゃんの母Rにこのことについてどう思うか聞いたところ、「親もいっしょに勉強しなきゃね。楽しかった。」という感想。これと同じことをもし日本でやったらどんな反応が返って来るか想像しただけでも楽しい。(^_^;)
★おしまいに
卒園式同様、こういうものがドイツにはないとばかり思っていたのでまたまた意外でした。言うまでもなく、礼拝以外は形式的なものはなかったのですが。冒頭の但し書きにも言い置きましたように、このレポートは、南ドイツはバイエルン州の端っこの小学校のみについてのものです。他にも興味深い入学式をご存知の方がありましたらぜひ知らせて下さいね。
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