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行って来たところ:
溝の口:かとチャンラーメン |
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[グルメ] 百獣の王「かとチャン」
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読者からの依頼を受け我々は横浜を飛び出し川崎の地へ。 ハイソな田園都市線沿線にありながらも南武線エキスをたっぷりと吸い込んだ街、溝ノ口。 報告によると、「マスター」という名の戦いの達人が、ここ溝の口にいるという。今まで数々の強敵と戦ってきた編集部。ついに決戦の時が来たようだ。マスターが潜むという秘境「かとチャンラーメン」へ潜入だ。 一見ごく普通のラーメン屋。だが、油断していると命を落としかねない。この日のために鍛練を重ねた我々だが、ここは慎重に、一歩一歩すすむ。 どうやらカウンター席には先客が二人。しかし肝心のマスターらしき人物は見あたらない。 が、やはりカウンターにはマスターの姿はない。どこだ、どこにいるんだ?極限の緊張に包まれる我々。 その時、無人と思われたカウンターの中になにやら黒い影が! いた! 寸胴鍋の影でウンコ座りになり、一服中のマスター発見。 風格溢れる体に纏うのは、戦いつづける男だけが着ることを許された服、作務衣。 重い沈黙が場を支配する。 「うぃっ・・・いらっしゃい。げふっ。」 もしや・・・ これは、あの伝説の酔拳ではないか! 既に底をついた麦焼酎の瓶が連日のハードな修行を思い起こさせる。 いきなりの奥義炸裂に反撃することも出来ず、とまどう我々。 |
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だがここで逃げては男が廃る!
淡々と麺をゆでる。そして具を炒める。正確無比なその動き。マスターの熟練の技が炸裂する。
だがこの程度の技ならばそんじょそこらのラーメン店のオヤジでも出来ること。 またもや我々を油断させるトラップなのか? だがしかし、我々は待たしても恐ろしい技を発見した!! これは、あの伝説の盲牌ではないか! マスターの背中が我々に語りかける。 『目で見るのではない、心で見るのだ。』 今まで我々を苦しめてきた強敵「木久蔵ラーメン」や「宇宙ラーメン」、味においては、彼らを微塵にも寄せ付けない。 初めて泣かずに完食することが出来た。 この味、かとちゃんの永遠のライバル『ケンちゃんラーメン』に匹敵する味だ!!! ここまでマスターの技を見せられてはもはや我々としては為す術がない。 「マスター、サワー作れよ、サワー。」 「サワーだぁ?」 朝飯前といわんばかりに、グラスに炭酸水を入れるマスター。 「ほらよ。」 しかしここで異変が!!!マスター油断したのか、肝心の焼酎を入れ忘れるという大失態。 「マスターこれじゃあ、サワーじゃねーじゃん。」 だがこれしきで動じていては王者としての名に恥じる。 「うっせー、後から入れるんだよ。」 マスター、現代社会を生き抜くのに必要不可欠な柔軟な発想力。 「おいおい、こぼれたじゃんよ。氷はどうすんの?」 勿論マスター動じない。 「うおぉ、やりすぎだって」 マスターのあまりの仕打ちに戸惑う常連。 勝利を確信したマスター、こぼれるサワーを見て一人でバカ受け。 これはあの伝説の「一人ボケつっこみ」ではないか! 王者である故の孤高な生き方に疲れたときも、この技さえあれば万事解決。 「うへへ。うっせーなー。いいから飲めよー」 マスターの『これこそがサワーだ、いや俺こそがサワーだ』と言わんばかりの会心の表情。 こうして密林王者決定戦は完全にマスターの一人勝ち状態で幕を閉じた。 ・・・夜風がしみる溝の口。 「まだまだだな、お前さんも」 苦笑と共に、俺は、軽く握った拳に向かって、そう、つぶやいた。 |
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